検索意図(Do/Know):効果が出ない原因の特定 → 具体的な改善手順 → すぐ使えるテンプレ。競合上位の見出し(品質スコア/広告ランク/除外KW/LP最適化 など)をカバーしつつ、P‑Max・拡張コンバージョン・価値ベース入札・実験まで踏み込みます。
- 先に結論(3ポイント)
- 今すぐやる改善10選(優先度順)
- 0. 現状診断:アカウント健全性スクリーニング
- 1. 計測の是正(拡張CV/Consent/オフライン取り込み)
- 2. 入札戦略:目標の一致と価値ベース最適化
- 3. 構造設計:ブランド分離/P‑Max分離/テーマ分割
- 4. キーワードと一致タイプ:ブロード×スマート入札の使い所
- 5. 除外キーワード設計:N‑gram運用のすすめ
- 6. 広告文・アセット最適化(RSAの作法)
- 7. LP改善:メッセージ一致/速度/EFO
- 8. 品質スコア&広告ランク:中身の理解と改善着眼点
- 9. オーディエンス/配信コントロール
- 10. 成果の読み方:アトリビューション/CVラグ/実験
- 11. 自動化:ルール&スクリプト例
- よくある失敗10選
- 30日改善ロードマップ(週別ToDo)
- テンプレ集(コピペ可)
- FAQ
先に結論(3ポイント)
- 計測の精度が悪いと何を直しても“見かけ上”改善しません。最初の30分は計測の監査に投下。
- 勝ち筋は 「構造 × 入札 × クリエイティブ × LP」の整合。検索意図=広告文=キーワード=LPの一貫性が鍵。
- 伸びるアカウントは定期点検と実験が回っています。週次の“型”(チェックリスト+小さなAB)を仕組み化しましょう。
今すぐやる改善10選(優先度順)
- 計測監査:CVイベント/拡張コンバージョン(EC/リード)/GA4連携/アトリビューション設定/重複計測の除去。
- 目標の一本化:キャンペーンごとにtCPA/tROASを現実値に再設定。価値が未設定ならECは売上、リードはLTV想定で値付け。
- 構造の整備:ブランド検索を分離。P‑Maxはブランド除外の方針を決め、テーマ別にアセットグループを分割。
- RSA刷新:見出し15/説明文4をフル。検索語句を見出し1‑3に採用、差別化要素を3つ以上。
- LPのメッセージ一致:広告文の約束=LPのファーストビュー。CTAは1つに絞る。速度90点以上(Lighthouse)。
- 除外KWの初期セット:競合求人/情報探し/無料系など商談不向き語を一括除外。
- 配信の無駄カット:配信地域・営業時間を事業に合わせて限定。既存顧客は除外オーディエンスへ。
- クリエイティブ在庫を増やす:画像/動画/コールアウト/構造化スニペット等表示オプションを網羅。
- 入札の冷却期間:大きな変更後は7‑14日は様子見。学習を崩さない。
- 週次レポートの型:CV/CPA/ROAS/検索語句前週比/上位/下位クエリで振り返り→翌週の仮説1本に絞る。
0. 現状診断:アカウント健全性スクリーニング
チェックするだけで原因の7割は見えます。
観点 | どうなっていれば良いか | よくあるNG |
---|---|---|
計測 | 主要CV1‑3個に集約/二重発火なし/拡張CV・値付け済み | クリックCV・滞在時間など疑似CVで最適化 |
目標 | キャンペーン単位で1つのKPI(tCPA or tROAS) | 1キャンペーンに複数目標/KPI未設定 |
構造 | ブランド・非ブランド・指名競合を分離 | すべて混在で評価不明 |
クリエイティブ | RSA枠フル/ピン留め最小限/表示OP網羅 | 見出し不足/コピペ量産 |
LP | ファーストビューで約束を回答/速度90+ | ファーストビューに価値がない/迷子UI |
除外 | 初期の否定リスト+毎週更新 | 検索語句を見ていない |
1. 計測の是正(拡張CV/Consent/オフライン取り込み)
- 拡張コンバージョン(EC/リード):メール/電話/住所のハッシュ送信で計測マッチ率UP。
- 価値の付与:ECは含税売上、リードは成約率×粗利で暫定値を設定(後で見直し)。
- オフラインCV取り込み:GCLID/WBRAID/GBRAIDベースで来店・商談・成約を取り込み、価値で学習させる。
- アトリビューション:基本はデータドリブン。指名用は最後のクリックで別評価でもOK。
ワンポイント:重複CV(例:GA4とタグの二重)を必ず排除。学習のノイズ源です。
2. 入札戦略:目標の一致と価値ベース最適化
- tCPA/tROASの適正化:過去30日の実績を基準に−10〜+10%幅で設定。極端な引き締めは学習破綻。
- 価値ベース:平均利益率が一定ならROAS、案件単価に幅があるならMaximize Conversion Value+上限ROASで。
- 季節性調整:セール/イベント週は季節性調整で学習を壊さず増額。
- 価値ルール:新規ユーザー+20%、特定SKU+30% など事業都合の重み付けを反映。
3. 構造設計:ブランド分離/P‑Max分離/テーマ分割
- ブランド検索は別キャンペーン:評価を汚さない。指名語のROASは別管理。
- P‑Maxの方針:
- ブランド流入は除外(検索テーマ/ブランド除外キーワード)で非指名の獲得力を測る。
- アセットグループをテーマ別(用途/カテゴリ/ベネフィット)。画像・動画・フィードを必ず充足。
- 検索キャンペーン:
- テーマ×一致タイプで広告グループを小分け(過分割はNG)。
- RSAは広告グループごとに最低1本、理想は2本でAB。
4. キーワードと一致タイプ:ブロード×スマート入札の使い所
- セマンティック拡張を活かす:ブロード+スマート入札+優良アセットの三点セットが前提。
- 型:
- 立ち上げはフレーズ+完全一致中心 → 安定後にブロードを追加。
- ブランド・禁則語は完全一致で厳密管理。
- 検索語句レポートで意味のズレを隔週で棚卸し。
5. 除外キーワード設計:N‑gram運用のすすめ
- 初期否定リスト(例):無料/安いだけ/転職/求人/研修/口コミ/意味/とは/作り方/中古/修理 など。
- N‑gram:検索語句を分解して2‑3語の頻出無駄語を抽出→共有否定リストで一括管理。
- 更新頻度:週1回、小粒でも継続が正義。
6. 広告文・アセット最適化(RSAの作法)
- 見出し15/説明4を埋め切る:クエリ一致(3‑5本)/差別化(5‑7本)/不安解消(2‑3本)/CTA(1‑2本)の配合。
- ピン留めは最小限:ABの妨げ。どうしても必要な場合のみH1/CTAで。
- 表示オプション:サイトリンク/コールアウト/構造化スニペット/価格/プロモーション等を網羅。
- P‑Maxアセット:縦横比の異なる画像セット、15秒動画、長文見出しも準備。
7. LP改善:メッセージ一致/速度/EFO
- メッセージ一致:広告文の約束はLPのH1/H2と同語で回答。ベネフィット→証拠→CTAの順番。
- 速度:LCP < 2.5s、CLS < 0.1。画像はWebP、不要JS排除、フォント遅延対策。
- EFO(入力最適化):必須項目最小化/入力補助/自動郵便番号/エラー明示。スマホ1画面完結が理想。
8. 品質スコア&広告ランク:中身の理解と改善着眼点
- 品質スコアの3要素:推定CTR/広告の関連性/LP利便性。
- 改善のコツ:
- CTR:検索語句→見出しへ直採用、数字・権威・希少性でクリック理由を明確に。
- 関連性:広告グループにテーマの一貫性。異質KWは分割。
- LP利便性:スピード×メッセージ一致×UX。FAQで不安を事前解消。
9. オーディエンス/配信コントロール
- カスタマーマッチ:既存顧客は除外、類似は拡張で探索。
- オーディエンス信号(P‑Max):実購買ユーザーから逆算。テーマ×信号で粒度を合わせる。
- 配信:商圏外を除外、営業時間外は止める or 限定、新規重視なら既存流入の除外で純増を可視化。
10. 成果の読み方:アトリビューション/CVラグ/実験
- CVラグ:B2Bや高額商材は7‑30日のラグを勘案し、評価期間を延ばす。
- 実験:入札・LP・RSA・ブロード解禁などは実験機能でA/B。目標メトリクスを1つに絞る。
11. 自動化:ルール&スクリプト例
- 自動ルール:
- CPAが目標の1.5倍超 → 入札−10%
- クリック0&表示1,000超/7日 → 一時停止
- スクリプト例(概要):
- N‑gram否定抽出:検索語句から2‑3語を頻度集計→しきい値超を共有否定に追記。
- 予算パacing:月中進捗が80%未満→入札+5%/超過→−5%。
よくある失敗10選
- 計測が壊れたまま最適化している
- 目標(tCPA/tROAS)が非現実的
- ブランドと非ブランドが混在
- 検索語句を見ない/除外を更新しない
- RSAの見出しが少ない/ピン留めしすぎ
- LPが“誰向け・何の約束か”を即答していない
- 学習直後に設定をいじり続ける
- 価値なし最適化(CV件数だけ追う)
- 営業時間外・地域外に無駄配信
- 実験を使わず勘で判断
30日改善ロードマップ(週別ToDo)
Week1:診断と計測
- CVイベント棚卸し/重複排除/拡張CV有効化/価値設定
- 目標の暫定再設定(tCPA/tROAS)
- ブランド分離・否定リスト初期投入
Week2:構造とクリエイティブ
- テーマ別に広告グループ再編(過分割しない)
- RSAを“満枠+AB”に刷新/表示OPを網羅
- LPのファーストビュー差し替え(メッセ一致)
Week3:探索と制御
- ブロード解禁(限定のテーマから)
- P‑Maxはアセット充足&ブランド除外方針の適用
- 地域・時間帯・既存除外で無駄を削減
Week4:学習と検証
- 実験で入札 or LPをテスト(1テーマに集中)
- 検索語句N‑gramで除外更新
- 週次レポートで仮説→翌月アクションへ
テンプレ集(コピペ可)
1) RSAテンプレ(B2C例)
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ピン留めはH1(検索語句)とCTAのみ推奨。
2) RSAテンプレ(B2Bリード例)
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3) 除外キーワード共有リスト(初期版)
無料, 格安, 安いだけ, 口コミ, 評判, 意味, とは, 使い方, やり方, 作り方, 求人, 転職, 給料, 年収, 研修, 無料配布, 体験談, まとめ, 比較だけ, 修理, 中古, ダウンロード, pdf
事業に合わせて求人/情報収集/競合調査など不要クエリをカスタム。週次でN‑gram補強。
4) 週次レポートの型(指標)
- CV / CPA / ROAS / 費用 / クリック / 表示
- 検索語句 Top20(前週比)
- キャンペーン別 伸び/沈みの理由(仮説1行)
- 来週の意思決定:やること1つ
5) Looker Studio 指標式(例)
- CVR = CV / クリック
- CPC = 費用 / クリック
- CPA = 費用 / CV
- ROAS = 売上 / 費用
FAQ
Q. 品質スコアは直接最適化すべき?
- A. 目的は利益。品質スコアは手段です。CTR/関連性/LPを高めれば自然に上がります。
Q. ブロードは危険?
- A. 計測が正しく、目標入札+良質アセットが揃っていれば強力な探索装置。除外更新の運用が前提です。
Q. P‑Maxの“ブラックボックス”が不安
- A. アセット充足/ブランド除外/実験での分離検証で“何が効いたか”を推定できます。検索キャンペーンと役割分担を。
本ガイドは、上位記事が必ず触れている「品質スコア/広告ランク/除外KW/LP最適化」を網羅しつつ、P‑Max・価値ベース最適化・実験など“いまの運用”で差がつく論点を追加して網羅性+独自性を両立しています。