GA4初心者向け|検索上位に勝つための完全ガイド(2025年版)

Google Analytics4

この記事のゴール:初めてでも 90分でGA4の初期設定→基本レポート→探索の型までを完了。さらに KPI設計・UTM命名・よくある詰まりの解消 まで、これ1本でカバーします。

GA4とは?(UAとの違いも3行で)

GA4(Google Analytics 4)はイベントベース計測。ページビューに加えて、クリックやスクロールなど、ユーザー行動をイベントとして柔軟に記録します。

UAとの主な違い(3行)

  • 計測の単位:UA=セッション中心 → GA4=イベント中心(柔軟)
  • 指標の定義:直帰率などの概念が整理・再定義(例:エンゲージメント率)
  • 分析の作法:標準レポート+探索(自由分析)で“問い”から見る

迷ったら「何を改善したいのか→それを測れているか→どの画面で見られるか」の順で考えるのがコツ。


最短チェックリスト:初期設定でまずやる10項目

ここだけ押さえれば“最低限使える”状態に。所要60〜90分。

  1. プロパティ作成 & データストリーム設定(Web/アプリ)
  2. 拡張計測の確認(スクロール・離脱クリック等の自動イベント)
  3. 内部トラフィック除外(自社/制作のIP・ルールで除外)
  4. 不正リファラ・支払いドメインの除外(例: payments.example.com など)
  5. コンバージョン定義(問い合わせ送信/購入/会員登録など。閲覧だけは原則NG
  6. イベント名の整理generate_lead / purchase / file_download 等)
  7. Google広告・Search Console 連携(集客→効果を一気通貫に)
  8. データ保持期間の延長(14か月推奨)
  9. タイムゾーン/通貨の確認(会計・広告レポートと整合)
  10. 権限と運用ルール(閲覧/編集/分析の権限設計、変更ログの共有)

ヒント:最初に「何をもって成果とするか(KGI/KPI)」を短く文章化し、イベント名・コンバージョン名に反映すると混乱しません。


まずはここを見る:標準レポート5画面の使い方

毎週の定例で見る“最低限”のダッシュボード。

1) レポートスナップショット

  • 直近の集客・エンゲージメント・コンバージョンの俯瞰。
  • まずは 前週比/前月比 の傾向を見る→異常値があれば個別レポートへ。

2) 集客>トラフィック獲得

  • セッションのディメンション(デフォルトチャネル/参照元/メディア)× CV を確認。
  • よくある問い:「どのチャネルがCVに効いている?」「広告の新施策は貢献している?

3) エンゲージメント>ページとスクリーン

  • ページ別の閲覧・平均エンゲージメント時間・CV を確認。
  • 離脱が多いページは タイトル/ファーストビュー/導線 を見直す。

4) エンゲージメント>コンバージョン

  • CVイベントの件数・率 を確認。目標に対して達成/未達の要因を仮説化。

5) ユーザー>ユーザー属性/テクノロジー

  • デバイス/OS/地域 の偏りから、表示崩れ・速度・言語の課題を洗い出し。

見方の型:「指標(何が増減?)」→「要因(どのチャネル/ページ/デバイス?)」→「打ち手(仮説→施策→期日)」。


成果に直結:探索レポートの“使えるテンプレ”3選

標準では見えづらい “なぜ・どこで” を深掘る。

A. ファネル探索(購入/問い合わせの分解)

目的:CVまでの離脱ステップを特定し、改善優先度を決める。

作り方の例

  1. ステップ:LP表示商品詳細カート購入(または フォーム到達送信
  2. セグメント:新規/リピートチャネル別 を並べて差を見る
  3. 指標:到達率平均エンゲージメント時間

見るポイント

  • どのステップで落ちるか(例:カート→購入の落ちが大きい=送料や決済UXの問題)
  • チャネルで差(例:SNS流入はLP→詳細の遷移が弱い=メッセージ不一致)

B. 経路(パス)探索(離脱点の特定)

目的:ユーザーがどこからどこへ移動/離脱しているかを可視化。

作り方の例:起点を page_view(主要ページ)に設定→次のイベント/ページ をたどる。

見るポイント

  • 検索窓/ヘッダー/パンくず の利用経路はあるか
  • 離脱直前のページ(FAQ/送料/特定商取引法ページなど)

C. セグメントの重ね合わせ(新規×チャネル×CV)

目的:新規ユーザーの 獲得効率CV質 を両方で評価。

作り方の例:行=チャネル、列=新規/既存、指標=CV率/収益。

見るポイント

  • “安いけどCVに結びつかない”チャネル を切る
  • “少ないけど質が高い”チャネル を伸ばす

KPI設計とUTM命名:初心者でも運用が回る型

“測れないKPI”は改善できません。命名ルール は最初に決める。

KPI設計(例:小規模EC)

  • KGI:月間売上¥3,000,000
  • 主要KPI
    • CV(purchase)件数 / CVR / 平均注文額(AOV)
    • 新規率 / リピート率
    • チャネル別ROAS(広告連携時)
  • マイクロCVadd_to_cart / view_promotion / file_download など

UTM命名テンプレ(コピペ可)

ルール:下記5項目を 半角英数・小文字・ハイフン区切り、社内でスプレッドシート管理。

パラメータ説明
utm_sourcegoogle / meta / x / newsletter流入元
utm_mediumcpc / cpm / email / social媒体
utm_campaignspring-sale-2025 / brand-keyword施策名
utm_contentab-test-a / video-15sクリエイティブ
utm_termshoes+brandキーワード(検索広告のみ)

命名の型(例)

source=google

medium=cpc

campaign=brand-keyword

content=rsap-30s-blue

term=brand+kw

Tipsgclid が付くGoogle広告は自動タグ推奨。メール/アフィリエイト/オフライン計測はUTMを厳格に。


よくあるつまずきと対処集

「UAと数字が合わない…」

  • 定義が違う(イベント/セッション、直帰率→エンゲージメント率 等)
  • 同一期間・同一ディメンション・同一フィルタで比較し、比率で整合 を取るのが現実解。

「コンバージョンがカウントされない」

  • イベント名が purchase なのに ecommerce データが未送信 などのパラメータ欠落
  • 重複送信/遅延(タグの二重発火、サーバー遅延)
  • 除外リファラ漏れ(決済ドメイン経由)

「社内アクセスが混ざる」

  • 内部トラフィック除外 の条件を developer_traffic で送信/一致させる
  • VPNや拠点追加時は 都度ルール更新

「サブドメイン/別ドメインでセッションが切れる」

  • クロスドメイン設定 の自動リンク/除外設定を確認
  • 決済やヘルプドメインを必ず登録

役割別のおすすめ活用(経営/マーケ/制作)

経営/事業責任者

  • 週次で レポートスナップショットCV/売上の推移 を確認→投資判断。

マーケ担当

  • トラフィック獲得探索(ファネル/パス) を定例運用。
  • 施策毎に UTMスプレッドシート を更新→命名のブレ禁止

制作/開発

  • ページとスクリーン の離脱点→UI修正の優先度付け。
  • 変更時は イベント仕様書 を更新(イベント名/条件/パラメータ)。

次の一歩:BigQuery/Looker Studio/広告連携の判断基準

  • やるべき人
    • データ量が多い/高度なLTV分析が必要
    • 広告レポートを ROAS/KPI で一元管理したい
  • まだ早い人
    • まずは CV定義とUTM命名 が固まっていない
    • 標準レポートで基礎が回っていない

迷ったら:「週次で正しくCVが見れているか」 を合格ラインに。次にLooker Studioで可視化、必要ならBigQueryへ。


コピーして使える:導入〜運用チェックリスト


ミニ用語集(初心者むけ)

  • イベント:ユーザーの行動(クリック/スクロール/購入など)
  • ディメンション:切り口(チャネル/ページ/デバイス/地域 など)
  • 指標:数値(件数/率/時間/収益 など)
  • エンゲージメント率:ユーザーが“ちゃんと見た”割合の目安
  • コンバージョン:目標達成の行動(購入・送信 等)
  • 探索:自由度の高い分析機能(ファネル/パス/セグメントなど)

FAQ

Q1. まず何から始めればいい?
A. 本記事の 初期設定10項目 を上から順に。次に コンバージョン定義UTM命名 を必ず決める。

Q2. 広告と数字が合いません
A. 期間・通貨・タイムゾーン・アトリビューション窓の不一致が定番。比較条件を揃える のが先決。

Q3. 探索は難しそう…
A. テンプレ3種(ファネル/パス/重ね合わせ) だけでOK。作れたら保存→毎週同じ指標で比較。

Q4. BtoBでも使える?
A. 使えます。マイクロCV(資料DL/セミナー申込) を定義、広告はリード質で評価。

Q5. ECで最初に効く改善は?
A. カート→購入の体験改善(送料/支払い/アカウント作成)。次に LPのメッセージ一致


まとめ

  • GA4は イベント中心初期設定→標準→探索 の順に“型”で回す。
  • KPIとUTM命名 が運用の土台。レポートは毎週同じ問いで比較。
  • 迷ったら CVの定義と品質 から。次の一歩は Looker Studio→BigQuery の順。