【2025年版】Yahoo!広告の「検索広告」と「ディスプレイ広告」の違いを、成果別に超わかりやすく解説

Yahoo! Ads

「Yahoo 検索広告 と ディスプレイ広告 違い」で調べると、特徴の列挙で終わる記事が多く、“結局うちはどっちをどう使えば成果が最大化できるの?”に答え切れていません。
本記事では、意図(Intention)×到達(Reach)×効率(Efficiency)の観点で両者を立体的に比較。さらに、業種別の設計テンプレ予算配分の初期解命名規則改善チェックリストまで公開します。これ一つで、実運用にそのまま落とし込めます。

1. 最速理解:違いの早見表(保存版)

観点検索広告(Search)ディスプレイ広告(Display/YDA)
目的既存需要の刈り取り(顕在層)需要創出・想起/比較促進(潜在〜準顕在)
配信面検索結果ページ/検索パートナーYahoo! JAPAN面・提携メディア・アプリ(記事面/フィード/動画など)
ターゲティングキーワード(意図ベース)、地域・時間帯・デバイスオーディエンス/コンテンツ(興味関心、リマーケ、類似、コンテンツ一致、掲載面)
クリエイティブテキスト中心(見出し×説明文)画像/動画/レスポンシブ(ネイティブ)
強み高いCVR・予測性・短期売上寄与到達の広さ・上流での想起形成・再想起(再訪)
弱みボリュームの頭打ち(検索需要依存)直接CVの揺れ/学習に時間・制作負荷
初期予算の置き方指名+意図強キワードを最優先で確保再訪(リマーケ)+近似意図から少額で検証拡張
KPI(例)CPA/ROAS、CV、Imp.Share、検索語句品質表示回数/到達、VTR、ビュー経由CV、インクリメント

2. まずはこの順で決める:選び方フローチャート(文字版)

  1. 今月の売上ギャップがある →
     a. 指名検索の取りこぼし(自社名・商品名)がある? → 検索広告:指名100%配信
     b. 競合名・カテゴリ語で機会損失? → 検索広告:意図強中〜高単価語を追加
  2. 指名・高意図で上限に近い
     a. 再訪を増やす:ディスプレイ(リマーケ)を最優先
     b. 新規想起を作る:ディスプレイ(興味関心/類似/コンテンツ)を段階的に拡張
  3. クリエイティブ制作体制がある → ディスプレイの新規を広げる
     体制がない → 検索の横展開(地域/時間/デバイス/LP差分)で実効増を先に

3. 予算配分の初期解と拡張ルール

  • 初期配分(汎用D2C/リード獲得の目安)
    • 検索:60%(指名20、カテゴリ/比較40)
    • ディスプレイ:40%(リマーケ20、新規想起20)
  • 拡張ルール(2週間ごと)
    1. 検索のImp.Share(上位/絶対上位)が機会損失→検索へ再配分
    2. ディスプレイの再訪CV寄与が可視(後述の計測で確認)→新規想起を+10%
    3. 在庫/供給制約がある月は上流配分を−10〜20%

4. アカウント設計テンプレ(そのまま使える)

階層例(検索)

  • キャンペーン:S_JP_指名_正確一致_目標CPA / S_JP_カテゴリ_部分一致_最大化CV
  • 広告グループ:KW_商品名 / KW_比較_悩み
  • 命名:{目的}_{国/地域}_{テーマ}_{一致種別}_{入札戦略}

階層例(ディスプレイ)

  • キャンペーン:D_JP_RMK_30d_目標CPA / D_JP_類似_購買者1%_最大化CV / D_JP_コンテンツ_◯◯特集
  • 広告グループ:AUD_RMK_30d_全来訪 / AUD_類似_購入者1% / CTX_◯◯記事面
  • クリエイティブ:IMG_1200x628_v1 / VID_6sec_hookA_v2

5. キーワード&オーディエンス設計のコア

検索(意図ベース)

  • 3バケットで網羅
    1. 指名:自社/商品名・誤字揺らぎ
    2. カテゴリ/課題:用途・悩み・比較(例:◯◯ 比較、◯◯ 選び方、症状×解決)
    3. 購入直前語:型番/価格/クーポン/最安/在庫
  • 一致種別の基本
    • 正確一致=品質担保、部分一致=ボリューム拡張。除外の棚卸しを週次で。

ディスプレイ(人/文脈ベース)

  • 最優先はリマーケ(30/60/90日などの回帰別)
  • 新規は段階式:興味関心 → 類似(既存購入者/LP到達者) → コンテンツ(特集/カテゴリ面)
  • 掲載面管理:成果の良い面はリスト化、不一致面は除外で学習を前進

6. クリエイティブ&LPの勝ちパターン

  • 検索:見出し=“意図への即答”、説明文で証拠(実績/比較優位)+CTA
  • ディスプレイ:最初の1秒のフック(テキスト最小・ビジュアル最大)。
    • 6秒動画:課題提示→解決の一言→ブランド
    • 画像:ビフォー/アフター数字/ベネフィットを視覚化(LPと訴求連動)
  • LP:検索=該当セクションを最上部、ディスプレイ=導入で“自分事化”→スクロール動機を作る

7. 入札・予算・配信コントロール(実務要点)

  • 学習を壊さない:日次の大幅予算変更(±20%以上)や、短期での入札戦略の往復は避ける
  • 目標CPA/最大化CVの使い分け
    • データ不足期=最大化CVで事実収集
    • 週あたりCVが一定以上=目標CPAに切替
  • 時間帯/地域/デバイス補正:検索は顕著に効く。除外語・除外面は週次で必ず更新

8. 計測と評価:直接効果だけを見ない

  • 基本タグ+イベントでCVを正しく計測(購入/予約/資料請求などの完了点)
  • 再訪寄与の見るべき指標
    • ビュー経由の補助、クリック後の多接点経路再訪CV率
  • インクリメント検証(簡易)
    • 期間×地域で配信/停止のA/B → オーガニック/指名検索/ダイレクトの増減を観測
  • GA4連携(モデル比較・経路探索)で“上流の価値”を見逃さない

9. よくある失敗と回避策(チェックリスト)

  • 検索:指名ワードを“完全に”守れていない(Imp.Share不足/上位表示率低い)
  • 検索:部分一致で無関係語が拡散(除外語の週次整備がない)
  • ディスプレイ:クリエイティブ1〜2本で回して学習が停滞
  • ディスプレイ:リマーケを後回しにして新規ばかり
  • 双方:LPが訴求とズレ(検索=答えが下層、ディスプレイ=導入が硬い)
  • 評価:ラストクリック主義で上流配分を全カット

10. 業種別・即実装テンプレ

A. EC/D2C

  • 検索:指名 / カテゴリ(症状・用途) / 型番・価格・最安
  • ディスプレイ:RMK_7/30/90d類似(購入者/カゴ到達)特集面
  • クリエイティブ:ランキング・社会的証明・返品保証の可視化

B. 来店/予約(医院・サロン)

  • 検索:地域+サービス / 今すぐ系(当日・急ぎ)
  • ディスプレイ:RMK_来院案内LP到達近隣興味関心
  • クリエ:地図/所要時間初回特典空き状況の明確化

C. B2B/資料請求

  • 検索:業界課題+解決策/比較/価格
  • ディスプレイ:RMK_ホワイトペーパー閲覧者類似(リード)
  • クリエ:事例サマリ導入効果の数字CTAは“相談”寄り

11. 改善の進め方(2週間スプリント雛形)

1週目:現状把握(Imp.Share/検索語句/面別/経路)→ 仮説立案
2週目:ABテスト投入(見出し/画像・6秒動画/入札/面/除外)→ 学習維持
終了時:勝ち要素の横展開負け要素の除外→ 次スプリントへ


12. すぐに使える“コピペ”命名・Utm・テスト設計

キャンペーン命名

S_JP_{テーマ}_{一致}_{入札}    例)S_JP_指名_正確_目標CPA
D_JP_{AUD/CTX}_{ウィンドウ}_{入札} 例)D_JP_RMK30d_目標CPA

Utm(例)

utm_source=yahoo&utm_medium=search|display&utm_campaign={キャンペーン名}&utm_content={広告名}

ABテストの最小単位(推奨)

  • 検索:見出しの“最初の1語”、説明文のベネフィットの言い回し
  • ディスプレイ:1秒目のビジュアルCTAボタンの有無背景の有無

13. まとめ:勝ち筋は“二刀流の役割分担”を崩さないこと

  • 検索=意図の刈り取りを最優先で取りこぼしゼロに
  • ディスプレイ=想起と再訪で中長期の売上底上げ
  • 計測と仮説検証で上流価値を定量化し、配分を微調整
    この基本を守れば、予算規模に関わらず着実に成果は積み上がります。

付録:導入チェックリスト(最初の7日)

  • 指名検索キャンペーンをImp.Share 90%+に
  • 部分一致の除外語を初週で30語以上棚卸し
  • ディスプレイはRMK(7/30/90日)から着火
  • 画像3種+6秒動画1種を同時投入(差分学習)
  • LPのファーストビューを広告訴求と一致
  • GA4&CVイベントの動作確認(計測ズレ0)
  • 2週間スプリントのAB計画をカレンダー化

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このまま上記テンプレをベースにあなたの業種・商材に合わせて具体化もできます。予算規模・目標CPA/ROASと合わせて、初期セットを一緒に詰めましょう。