この記事でわかること
・今日から始められる最小構成の正しい初期設定
・CPA/ROASを守るための“事故防止”チェックリスト
・30/60/90日の運用ロードマップ(改善サイクルの回し方)
はじめに:初心者がつまずく3つの原因
- 計測できていない(GA4/タグ未連携 or 目標が曖昧)
- ターゲティング過多(配信面・キーワードを広げすぎ)
- 改善サイクルがない(見ている指標がバラバラ)
本記事は「計測 → 絞る → 回す」の順で、最小の作業で最大の学びを得る設計にしています。
Google広告の基礎:配信面と用語を30秒で把握
- 検索(リスティング):意図が明確。初心者はまずここから。
- P-Max(パフォーマンス最大化):全面に出す“黒帯”。計測が整い、CV信号が貯まってから。
- ディスプレイ/YouTube/ディスカバリー:認知拡大。原則は“検索で勝ち筋→拡張”。
用語最小セット
- CV(コンバージョン)/ CVR / CPA / ROAS
- マッチタイプ(完全一致 / フレーズ一致 / 部分一致)
- 品質スコア(広告の関連性・LP体験・推定CTR)
【ゼロから】アカウント作成〜計測設定の最短ルート
1) 目的とKPIを決める(5分)
- 例:問い合わせ送信(主要CV), 資料DL(補助CV)
- 目安:許容CPA = 粗利 × 許容広告比率
- 例:1件利益15万円・人件費等6万円 → 粗利9万円。広告比20%なら 許容CPA=18,000円。
2) GA4 / Googleタグ / 主要CV をつなぐ(15分)
- Googleタグを全ページに(GTM推奨)。
- GA4のイベント=主要CV(送信/購入/予約完了など)をGoogle広告にリンク。
- テストCVを1回発火させて、Google広告の「コンバージョン」画面で受信確認。
3) 除外基盤を作る(10分)
- 地域:配達不可/出張不可エリアを除外。
- 時間帯:対応できない時間(夜間など)をオフ。
- 除外キーワード:無料、求人、ハウツー、画像、PDF、口コミ、住所、電話番号、とは、意味、転職…(業種に応じて調整)
- 除外プレースメント(拡張用):ディスプレイ/動画で使う。初期の検索では不要。
【ムダ撃ち防止】初期キャンペーン設計テンプレ
まずは“検索キャンペーン”を最小構成で。1目的=1キャンペーン、1テーマ=少数の広告グループが鉄則。
キャンペーン構成(例:サービス資料請求)
- キャンペーン:資料請求(検索)
- 目標:コンバージョン数
- 入札:目標CPA(最初はゆるめ or 手動CPC→後日自動)
- 日予算:許容CPA×想定CV/日(まずは少額で学習)
- 広告グループA:指名(ブランド名)
- キーワード:
[ブランド名]
“ブランド名 サービス”
- キーワード:
- 広告グループB:商標一般(カテゴリ名×課題)
- キーワード:
“カテゴリ名 導入”
“カテゴリ名 料金”
“カテゴリ名 比較”
- キーワード:
- 広告グループC:課題(ペインワード)
- キーワード:
“課題名 解決”
“課題名 サービス”
- キーワード:
マッチタイプの指針
- 初心者は完全一致/フレーズ一致中心。部分一致は除外が厚くなってから。
- 広げる順番:完全一致 → フレーズ一致 →(勝ち筋判明後に)部分一致+オーディエンスシグナル。
ランディングページ(LP)最低条件
- ファーストビュー:ベネフィット + 社会的証明(実績/レビュー) + 主CTA
- スマホ読み込み< 3秒 / フォーム短い / 料金や事例が目に入る
- 追従CTA(スマホ下部固定)を設置
広告文&アセットの作り方:クリックされる型
レスポンシブ検索広告(RSA)の基本
- 見出し(15枠中8〜12使用)
- ベネフィット型:「最短7日で問い合わせ2倍」
- 不安解消型:「解約いつでもOK/初期費用0円」
- 具体性:「歯科向け導入600院」「費用目安 月3万円〜」
- 検索語含有(指名/主要KW)
- 説明文(2〜4本)
- 【問題→解決→根拠→行動】の順で1文40〜60字
- アセット
- サイトリンク:料金、事例、導入ステップ、FAQ
- コールアウト:サポート体制・返金保証・短納期
- 構造化スニペット:サービス項目/導入業種
- 電話番号:即連絡が価値な業種で
コピーの“型”(コピペ改変OK)
- 見出し例:
- 「【業界特化】Google広告運用|月3万円〜」
- 「集客のムダ撃ち0へ|専門家が無料診断」
- 説明文例:
- 「問い合わせが取れない原因を特定。キーワード/LP/計測を同時に最適化し、CPA改善を最短化。まずは無料診断から。」
日予算・入札・配信のコントロール
- 日予算:最小でも想定CPA×0.3〜0.5は確保(学習安定のため)。
- 入札:
- 初期は手動CPC or 目標CPAゆるめ → データ20〜30CV/30日でtCPA/tROASを本気化。
- 地域:商圏のみ。除外地域の明示を忘れない。
- 時間帯:反応が鈍い帯は停止。フォーム対応時間に寄せる。
- デバイス:スマホ優先。CVR差が大きければ調整。
- 検索語句レポート:毎週除外ワードを追加(N-gram視点で共通ノイズを切る)。
毎週やること:分析と最適化の手順
- CV確認:計測の欠損・ラグを点検(GA4と件数突合)
- 検索語句→除外:無駄語を一掃(共通語尾・情報収集ワード)
- 広告のA/B:RSAに新見出し2本追加(重複を削る)
- 入札/予算配分:
- CPAが目標以下の広告グループへ+10〜20%
- 目標超過は入札ダウン/キーワード精査
- LP小改善:ファーストビューの証拠強化(実績ロゴ・レビュー追記)
- レポート:週報にCPA/CVR/トップ検索語/除外語/次週仮説を固定フォーマットで記載
【30/60/90日】改善ロードマップ
Day 1–30(学習)
- 完全一致中心で勝ち筋KWを抽出
- 除外辞書を拡充、RSAを増量
- tCPAを“ゆるめ”に設定して安定CVを確保
Day 31–60(拡張)
- フレーズ一致を追加、CVR高い語句を入札強化
- LPの第1画面とフォームを改善
- オーディエンス(リマーケ/類似)でP-Maxの布石を作る
Day 61–90(スケール)
- 部分一致 + オーディエンスシグナルで探索
- P-Maxを“限定予算”でテスト(除外ブランドは別キャンペーンで守る)
- 目標ROAS導入(EC)or 目標CPAの引き締め(toB)
よくある失敗と回避策
- 部分一致だけで開始 → 完全/フレーズから。除外厚めにしてから広げる。
- CV計測が曖昧 → 主要アクションのみを最適化対象に。重み付けは後から。
- 指名と一般を混在 → 指名(ブランド)キャンペーンは別建てで“守り”。
- LPが弱いまま入札強化 → まず証拠とCTA。広告より先にLPを触るとCPAが即下がる。
- 日次で方針を変える → 最低1週間は仮説を固定して検証。
まとめ&チェックリスト(コピペ可)
初期設定チェック(配信前)
- 目的とKPI(許容CPA/目標ROAS)を定義
- GA4・Googleタグ連携、主要CVのみ最適化対象
- 地域/時間の除外が適切
- 除外キーワード初期セット投入
- 検索キャンペーン:完全/フレーズ一致中心で開始
- RSA:見出し8〜12本、説明2〜4本、アセット充実
- LP:ベネフィット+証拠+CTA、スマホ最適
毎週の運用ルーチン
- CV整合性チェック(GA4↔Google広告)
- 検索語句→除外更新(N-gramで共通ノイズ除去)
- RSAに新見出し2本追加(重複削減)
- 予算再配分(勝ち筋へ+10〜20%)
- LPの微改善(証拠/CTA/読み込み)
- 週報(CPA/CVR/Top語句/除外/次週仮説)